タービンホールとは
テートモダンの特徴である巨大な空間のこと。
この大空間タービンホールではユニリーバ社の提供により
毎年、人気企画「ユニリーバ・シリーズ」の展示が行われています。
世界が注目しているテートモダンのインスタレーション。
現代アートの最先端がここにあるっ!
管理人が実際に見たことがあるのは
ドリス・サルセドさんの「Shibboleth」だけ。
なので、他の作品に対する管理人の感想は雑誌やネットで見て感じたものです。
そこんとこよろー
タービンホールの大きさ
■長さ:155m
■高さ:35m(建物と同じ7階分に相当する高さ)
■面積:3,400平方メートル
タービンホールで
作品を展示した作家
[ユニリーバ・シリーズ 2000 - 2007]
2000
■ルイーズ・ブルジョワ(Louise Bourgeois)
■タイトル『 I Do,I Undo,I Redo 』
作品説明:
「ユニリーバ・シリーズ」第一弾。六本木ヒルズなどでもおなじみの巨大な蜘蛛のオブジェと、3つの巨大なスチール製タワー(高さ9m)からなる作品。2つのタワーは外側に、残る一つタワー(壁に囲まれたタワー)は内部に螺旋階段があり登ることができる。階段を登った先には巨大な丸鏡や椅子、親子像などが設置されている。
管理人の感想:
「広いスペースに大きな作品を展示する」通常ならこの考えでいいのだけど、改めて作品を見てみると、第一弾ということもあり、タービンホールの広さを活かした展示ではなかったように思う。これなら屋外展示でもよさそうだしね。ただ、後々の作家のアイデアが優れているのもこの作品があってのことだろう。
2001
■フアン・ムニョス(Juan Munoz)
■タイトル 『 Double Bind 』
作品説明:
5階分吹き抜けのホールの2階部分の高さに天井(床)を設置し、 その天井(床)にダミーの穴と本物の穴を貫き、2台のエレベーターを上下させた。さらに奇妙な人物像も点在させ、奇妙な視角効果をねらった作品。※会期中にムニョス氏が急逝しさらに摩訶不思議な印象を与えた。
管理人の感想:
高さ35mもあるタービンホールならではの作品。天井(床)を設置してしまうというアイデアが面白い。が、奇妙な視角効果をねらっただけの作品ともいえるので好き嫌いがわかれるところ。
んっーとね、、、 管理人的にはいまいち(笑)
2002
■アニッシュ・カプーア(Anish Kapoor)
■タイトル 『 Marsyas 』
作品説明:
155mあるホールの両端と中央部に巨大なリングを設置し、 その3つのリングを伸縮性のあるPVC膜でつなげた巨大な作品。 光を透過する赤い膜が生々しい印象を与える作品。
※タイトルはギリシャ神話で生きたまま皮をはがされたマーシャスにちなむ。
管理人の感想:
大きな作品といっても、ここまで巨大で生々しいと恐さを感じる。ギリシャ神話にちなんだというテーマもいいし、人間を超えた存在なんだということを実感させられる様な迫力がある。写真だけでもすごそうなので実際に見てみたかった作品。
2003
■オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)
■タイトル 『 The Weather Project 』
作品説明:
ホールの天井一面にミラーを張ることにより、半円形の強烈な人工照明が太陽のように円形に輝き、高さ35mのホールを倍の高さに感じさせた作品。さらに加湿器を設置して霧を発生させ、霧のかかったホールに沈まない太陽が浮かんでいるように見える。
※観客によるパフォーマンスが多発。アートを参加型へと導いた。
管理人の感想:
たぶん、タービンホール「ユニリーバ・シリーズ」の中で最も人気のあった展示。人工太陽。天井の高さを倍に見せるアイデア。そして霧と、すべてがうまく演出された完成度の高いインスタレーション。観客によるパフォーマンスが多発したのも作品世界に魅了されたからこそ。この作品も実際に見て体験してみたかった。
2004
■ブルース・ナウマン(Bruce Nauman)
■タイトル『 Raw Materials 』
作品説明:
巨大なスペースを空っぽにし、聴覚に焦点をあてた作品。 ホールの各所に設置されたスピーカーからは 22の言語によるさまざまな言葉が同時に繰り返し流れる。 空間を縦横無尽に飛び交う言葉があたかも目にみえない彫刻を 形成しているような印象を与えた。
管理人の感想:
シリーズ中はじめての展示作品のないインスタレーション。「ユニリーバ・シリーズ」の作家はコンペで選ばれているわけではなく指名制なので、今回はいままでとは趣向の違う展示を求めていたのだと思う。でも、管理人の知るかぎりそんなに評価は高くないはず。前年度との差別化をはかったのはいいけど面白みに欠ける印象。わかる人にはわかるではダメだろう。抽象的すぎたか?
2005
■レイチェル・ホワイトリード(Rachel Whiteread)
■タイトル『 Embankment 』
作品説明:
巨大で冷たい印象のスペースに親密な雰囲気を持ち込むことに挑戦した作品。段ボール箱から型抜きした、14万個にもおよぶ半透明のポリエチレン箱が さまざまに積み上げられ、ホールは迷路のような不思議な空間になる。観客は箱の中を空想しながら迷路をさまよう。
管理人の感想:
こういった、膨大な数の多さで勝負という作品はありがち。しかも「箱」という通常も積み重ねられるものを積み重ねても意外性がないように思う。はたして「箱の中を空想しながら迷路をさまよう。」なんてロマンチックな雰囲気になったのか疑問。白い箱ということで全体がきれいにみえるのはいいけどね。
2006
■カールステン・フラー(Carsten Holler)
■タイトル 『 Test Site 』
作品説明:
ホールを遊園地化した意欲作。吹き抜けのホールに5本のニョロニョロとした巨大なチューブ型スベリ台を設置。最長では25mの高さから長さ55mのチューブを観客は滑り降りる体験ができるアートのさらなる多様性を示した作品。
管理人の感想:
はじめて写真をみたときは未来的で驚いたけれど、、、なんだ「スベリ台」だったのかと、、、管理人の中でだんだん評価が下がってきている作品。この作品の面白さは、その「スベリ台」自体が作品であり、設置されている場所が遊園地ではなくタービンホールということだろう。できれば、遊園地では体験できない仕掛けが欲しかったように思う。(例えば未来的なスーツを着用して滑るとか、裸になって滑るとかね。 例えばですよー)
2007
■ドリス・サルセド(Doris Salcedo)
■タイトル 『 Shibboleth 』
作品説明:
タービンホールの床をじかに削って作られた、全長167mに走る亀裂(ヒビ)。空間をさらに広げた作品であり、凹型の彫刻ともいえる。タイトルの「シボレス」はこの言葉の発音により、民族を判別し、大虐殺を行ったという旧約聖書中の話に由来している。人種、宗教感、さらには現在のアート界への抵抗をも表現している。
※展示期間終了後に亀裂(ヒビ)を埋めることにより完成。(傷痕は残る)
管理人の感想:
作家はもちろん、床を削ることにゴーサインをだしたホール側も評価したい。管理人が実際に見てきたということもあるけれど、雑誌で見た時から気に入ってしまっていたので相当にこの作品が好きだ。テーマは重いものだけれど、それを知らずとも、感性を刺激してくれるところがいい。ものを置くわけでもなく、動かすでもなく、音を鳴らすわけでもない。すべてはこのアイデアの素晴しさにつきる。
テート・モダンとは? イギリス・ロンドンにある国立の近現代美術館。以前「バンクサイド発電所」だった建物をスイスの新鋭建築家コンビ、ヘルツォーク&ド・ムーロンにより改築した。発電機のあった巨大なタービン・ホールを大エントランスホールにして、屋上に採光窓やレストランフロアを設けるなどの工事を行い、2000年にオープン。以来、非常に人気のあるスポットとなっている。 ※煙突の高さは99m |