竜巻の強さ(Fスケール/EFスケール)

更新日:

オクラホマ州で発生した竜巻(トルネード) 
 
 
Fスケール(藤田スケール)とは 
竜巻の強さを階級で示すもの。
 
 
1971年当時、シカゴ大学の名誉教授だった藤田哲也氏と国立暴風雨予報センターの局長だったアレン・ピアソン氏が共に提唱したもので、国際的に広く用いられています。 
 



 
 
竜巻の横幅(直径)は平均で数十m、大規模なものでは数百mから1km以上。移動速度は様々で、まれに時速100kmを超えることもある。(ホント様々) 
 
アメリカでは竜巻の発生数に対する、強い竜巻の割合が非常に多く、歴史上F5クラスの竜巻による壊滅的な被害を受けた例が度々あるけど日本ではF1~F2のものが時々発生し、F3クラスは数年に一度くらいの頻度みたい。 
*このため、アメリカは竜巻の警報体制や防災設備が世界で最も進んでます。 
 
 
地理的条件から日本ではF4クラスを超える竜巻は今後も発生しないだろうと言われてるけど、F3クラスでも重大な被害なんだよね(汗)F4だとクルマがミサイルのように飛んでいくんだって(恐) 
 

 
Fスケール階級表(藤田スケール)  

階級 風速 発生 
割合
想定される被害
F0 32m/s未満 
117km/h未満
38.9%
被害は比較的軽微。  
煙突の損傷、木の枝が折れる、根の浅い木が傾く、道路標識等の損傷など。
F1 33-49m/s 
117-180km/h
35.6%
中程度の被害。  
屋根がはがされたり、自動車で引く移動住宅などは壊れたりひっくり返ったりする。移動中の自動車は道から押し出される。壁続きのガレージは破壊される。
F2 50-69m/s 
181-253km/h
19.4%
大きな被害。  
家の壁ごと屋根が飛んだり、移動住宅などは破壊、貨車は脱線したりひっくり返ったりし、大木でも折れたり根から倒れたりする。軽いものはミサイルのように飛び、車がごろごろ転がる。
F3 70-92m/s 
254-332km/h
4.9%
重大な被害。 
建て付けの良い家でも屋根と壁が吹き飛ぶ。列車は脱線転覆、森の大半の木は引っこ抜かれ、重い車でも地面から浮いて飛んだりする。 
※日本国内で発生した竜巻としては戦後最大とされた2006年11月7日の北海道佐呂間町竜巻災害もこの階級であった。ほかにも1990年12月11日には千葉県茂原市で最大風速92m/sのものが、1999年9月24日には愛知県豊橋市で同規模のものが観測されている。
F4 93-116m/s 
333-418km/h
1.1%
深刻な大被害。 
建て付けの良い家でも基礎が弱いものはちょっとした距離を飛んでいき、車は大きなミサイルのように飛んでいく。日本国内では、このクラス以上の強さの竜巻は観測されておらず、将来の発生の可能性もほとんどないとされている。
F5 117-141m/s 
419-512km/h
0.1%未満
あり得ないほどの莫大な壊滅的被害。 
強固な建造物も吹き飛んでいってしまい、自動車大の物がミサイルとなって100メートルを超過して空を飛び交う。樹木も根こそぎ宙を舞い、とにかく信じられないような大惨事になる。経路上にあったものはことごとく破壊され、瓦礫(がれき)の他に残るものは皆無と言っても過言ではないとも言われる。 
※竜巻を描いた映画『ツイスター』ではこのF5級の竜巻を「神の指」と称し、神が地球をその指でひっかきまわすというイメージがなされたと言う。
F6 142-169m/s 
513-610km/h
ほぼ皆無
もし発生するようなことがあるならば、未曾有(みぞう)の超壊滅的な被害が予想される。F6階級の竜巻は現実に実証されていないが、しかしながらいくつか非公式の発生報告があり、最近のものでは1999年5月3日にオクラホマ州ブリッジクリーク付近で発生した最大瞬間風速142m/sのものが挙げられる。また、F4以上の階級の竜巻においては、そのごく狭い中心域がF6になる可能性がある。しかし、その被害は周辺のF4およびF5階級の風による被害と区別できないので事実上、規模を評価できないと考えられる。 
※この竜巻は異常気象を描いた映画『デイ・アフター・トゥモロー』でも大量に発生していた。この階級以上の竜巻の発生率は全体から見てもごくごくまれな割合である。

 



 
 
Fスケールは現在も 
国際的に広く用いられていますが、、、
 
 
 
じつは、2006年に改良藤田スケール (EFスケール)が発表されています。EFスケールはさらに詳細な竜巻被害データを反映して作られたもので、従来のFスケールよりも竜巻による被害想定が実際の被害に近いものに改善されました。 
*EFスケールは2006年2月2日にアメリカ気象局が公表。 
 
 
EFスケールは日本を含め、他の国ではまだ普及が進んでいない現状ですが、すでにアメリカでは2007年2月1日にFスケールはその役目を終え、改良藤田スケール (EFスケール)を新たに採用していますので新しいEFスケールも掲載しておきます。 
 

 
EFスケール階級表(改良藤田スケール)  

階級 風速 発生 
割合
想定される被害
EF0 29-38m/s 
105-137km/h
53.5%
軽微な被害。  
屋根がはがされたり、樋や羽目板に損傷を受けることがある。また、木の枝が折れたり、根の浅い木が倒れたりする。確認された竜巻のうち、被害報告のないものはこの階級に区分される。
EF1 39-49m/s 
138-178km/h
31.6%
中程度の被害。  
屋根はひどく飛ばされ、移動住宅はひっくり返ったり、破壊されたりする。玄関のドアがなくなったり、窓などのガラスが割れる。
EF2 50-60m/s 
179-218km/h
10.7%
大きな被害。  
建て付けの良い家でも屋根と壁が吹き飛び、木造家屋は基礎から動き、移動住宅は完全に破壊され、大木でも折れたり根から倒れたりする。
EF3 61-74m/s 
219-266km/h
3.4%
重大な被害。 
建て付けの良い家でもすべての階が破壊され、商店街などで見られるような比較的大きな建物も深刻な損害をこうむる。列車は横転し、吹き飛ばされた木々が空から降ってきたり、重い車も地面から浮いて飛んだりする。基礎の弱い建造物はちょっとした距離を飛んでいく。
EF4 75-89m/s 
267-322km/h
0.7%
壊滅的な被害。 
建て付けの良い家やすべての木造家屋は完全に破壊される。車は小型ミサイルのように飛ばされる。
EF5 90m/s~ 
322km/h~
0.1%未満
あり得ないほどの激甚な被害。 
強固な建造物も基礎からさらわれてぺしゃんこになり、自動車サイズの物体がミサイルのように上空を100メートル以上飛んでいき、鉄筋コンクリート製の建造物にもひどい損害が生じ、高層建築物も構造が大きく変形するなど、信じられないような現象が発生する。 
※EFスケールが導入された2007年2月1日以来、この階級の竜巻はこれまでに全米で2例のみ確認されている。直近のものは、2008年5月25日にアイオワ州パーカーズバーグで発生した竜巻で、町の半分近くを破壊した。

■豆知識 
竜巻」と「つむじ風」の違い  
学校の運動場や荒地などに発生する「つむじ風」がまれにテントや椅子を巻き上げるほど大規模なものに発達することがありますがつむじ風は熱せられた地上の空気が渦を巻いて上昇するだけの現象であり、竜巻ではありません。竜巻は小規模であっても積乱雲から発生します。 
 
 
お、藤田氏は竜巻(トルネード)研究の世界的権威ですが、もうひとつ、下降噴流(ダウンバースト)研究の世界的権威でもありました。現在、世界各地の空港にドップラー・レーダーが配備され、飛行機が安全に飛べるようになったのも藤田氏のおかげなんです。 
 
 
ミスター・トルネード 
藤田哲也氏に感謝☆  
 
*ちなみに藤田氏は日本生まれですが国籍はアメリカです。  

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