バベルの塔

更新日:

 
ベルの塔って、名前の響きがいい。 
 
重厚というか貫禄がある。 
 
バベルの塔は旧約聖書(*)にでてくる伝説なんですが、モデルになったといわれる遺跡(階段状の神殿)が存在していました。 
*旧約聖書は、ユダヤ教聖書、ヘブライ語聖書とも呼ばれています。 
 
 
この、階段状の神殿を「ジックラト」といいます。「ジックラト」は各地に存在していましたが、 なかでも、バベルの塔のモデルとなったものはメソポタミア地方の古代都市「バビロン」の中央にあったとされ、 基礎が91m四方で7層からなり、高さも50~90m!と、とても大きいものであったと考えられています。 
 
ぜここまでわかっているのかというと大きな建造物に関する記述のある、相当古い時代(229BCE)の資料(くさび文字で書かれている)があるから。 
 
コピーがルーブル美術館に保管されているそうです。 
たぶん本物は石板かな?  
229BCEは西暦1年の229年前。キリストもまだいない時代。 
 
 
 

なみにバベルの塔のモデルという遺跡は 
土台というか基礎部分のみの状態で発見されています。 
 
↓これが記述をもとにした復元図。 
バベルの塔のモデル 
外観 
 
バベルの塔 内部構造 
内部構造 
 
バベルの塔のモデル 
■底辺の長さ  :91m × 91m(91.48m × 91.66m) 
■高 さ    :50~90m 
■構 造    :7層構造 
■最上層の大きさ:24m×21m 
■備 考 
◎最上層の上に小神殿があった。 
◎ナボポラッサルが再建に着手。 
◎ネブカドネザル2世が完成させた。 
 
バベルの塔 イラスト 
バベルの塔の復元図に近いイラスト 
 
バベルの塔 CG 
バベルの塔および周辺のCG 
 
 
 
 
ベルの塔の名前の由来は二通りあって、 
一つは、アッカド語でバビリム Bab-ilim(神の門の意味)が語源となり、 
 
バビリム → バビロン → バベルとなったという説。 
 
もうひとつは旧約聖書に書かれているバベルの塔の話の中にでてくる 
混乱(バラル)という言葉が由来になったという説。 
 
旧約聖書によると、バベルの塔はノアの箱舟で有名なノアの子孫の 
ニムロデが建設しようとしていた塔だということになっています。 
 
個人的には混乱の塔よりも、神の領域まで続く塔ということで 
バビリムの方が語源だと思うんだけど、、、 
 
 
 
まぁ、それは置いといて 
以下、旧約聖書にでてくるバベルの塔の話(11章)です。 
 
 
 
11:1 
世界中は同じ言葉を使って、同じように話していた。 
11:2 
東の方から移動してきた人々は、シンアルの地に平野を見つけ、そこに住み着いた。 
11:3 
彼らは「れんがを作り、それをよく焼こう」と話し合った。石の代わりにれんがを、しっくいの代わりにアスファルトを用いた。 
11:4 
彼らは、「さあ、天まで届く塔のある町を建て、有名になろう。そして、全地に散らされることのないようにしよう」と言った。 
11:5 
主は降って来て、人の子らが建てた、塔のあるこの町を見て、言われた。 
11:6 
「彼らは一つの民で、皆一つの言葉を話しているから、このようなことをし始めたのだ。これでは、彼らが何を企てても、妨げることはできない。 
11:7 
我々は降って行って、直ちに彼らの言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまおう。」  
11:8 
主は彼らをそこから全地に散らされたので、彼らはこの町の建設をやめた。  
11:9 
こういうわけで、この町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を混乱(バラル)させ、また、主がそこから彼らを全地に散らされたからである。
 
 
 
 
 
わかりやすく言うと 
 
神は高い塔を集団でつくっている人間をみて驚き、人間が集団になると不可能なことなどないように思った。(人間が神の領域にまで来てしまうのではないかと恐れた)そして、言語がひとつだから集団としてまとまっているのだと考え、人々の言語をバラバラにして互いの言葉を理解できないようにした。その結果、人々は混乱し、バベルの塔の建設を中断することとなった。 
 
 
 
この部分だけ読むと、神って 器が小さい… 
 
集団ヤバい! 言語をバラバラにしちゃえ! エイッだもんね 
 
 
 
人間A:レンガを一緒に運ぼうぜ! 
 
人間B:O quê? Ele tem uma perna ferida(なに?脚が痛いんだよ) 
 
人間A:ん?聞いてる?なにサボってんのお前 
 
人間B:怒ってるのか?何て言ってるんだ?(Você está com raiva? Você está brincando?) 
 
人間C:എന്താണ് കാര്യം? എന്താണ് കാര്യം?(どうした?どうした?) 
 
 
 
 
 
 
つーか、人間と同じなんだな 
 
神を見たとか、神はいるって言ってるのは人間。 
神に救われた! 神の天罰だ!って言ってるのも人間。  
 
 
 
結局、すべて人間なんだなぁ 
 
 
 
 
 
 
 
 
《おまけ》 
バベルの塔を題材にした絵画たちです。 
伝説の塔を想像して描いたものだから形状も様々 
現代の作家にとってもバベルの塔は面白い題材かも☆ 
 
バベルの塔 
ピーテル・ブリューゲル画[Tower of Babel]1564年頃 
サイズ 114 × 155cm/美術史美術館 所蔵(ウィーン) 
 
↑バベルの塔を描いた最も有名な絵画。 
壮大で緻密。縦114センチ、横155センチの大作。 
 
バベルの塔 
細部の描写 
 
 
 
バベルの塔 
ピーテル・ブリューゲル画[Tower of Babel]1568年頃 
サイズ 60cm × 74.5cm/ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館 所蔵(ロッテルダム) 
 
↑こちらはセカンドバージョンともいわれるもう1枚のバベルの塔。 
サイズは小さくなりましたが同じく緻密で迫力は増しています。 
 
バベルの塔 
細部の描写 
 
 
 
その他 
Tower of Babel  
 
 
Tower of Babel  
 
 
Tower of Babel  
 
 
Tower of Babel  
 
 
Tower of Babel  
 
 
Tower of Babel  
 
 
Tower of Babel  
 
おわり 
അവസാനം 
 
 
追記: 
2017年4月18日~7月2日迄 
上野の東京都美術館で「バベルの塔」展が開催されます。 
ブリューゲルの他、奇才ヒエロニムス・ボスの作品や 
同時代の画家たちの作品が多数展示予定 

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