どのくらいの数値だと危険なのか調べてみました。
知っておけば過剰に反応してパニックになることもありませんね。
まずは人間の身体への被曝の大きさを表す単位を確認しておきましょう。
「シーベルト(Sv)」
「ミリシーベルト(mSv)」
✳︎シーベルトの1000分の1
「マイクロシーベルト(μSv)」
✳︎シーベルトの100万分の1
報道でよく聞く、マイクロシーベルトというのはとても小さな単位だということがわかります。
〔1シーベルト = 1000ミリシーベルト = 1,000,000マイクロシーベルト〕
次に日常生活で浴びる放射線も確認しておきましょう。
✳︎単位はマイクロシーベルトです
6900μSv → 胸部CTスキャン
2400μSv → 1人当たりの年間自然放射線量(平均)
0600μSv → 胃のレントゲン
0200μSv → 東京とニューヨークを航空機で往復
0050μSv → 胸部レントゲン
上記のように1人当たりが1年間に浴びる自然放射線量(平均)は2400マイクロシーベルト(2.4ミリシーベルト)ですがこれはあくまで平均値です。
国際線パイロットの方は日頃から放射線を浴びる量が多いので、さらにCTスキャンを年に何回か受けたら、、、とか考えてみると平均値の10倍は超えていそうです。
では、結局のところ何マイクロシーベルトまで放射線を浴びても身体に影響がないのかというと、、、
ず ば り そ れ は
200,000 マイクロシーベルト(μSv)
でしょう。(20万マイクロシーベルト)
単位をシーベルトにすると0.2シーベルトです。
単位をミリシーベルトにすると200ミリシーベルトです。
1年間でこの数値までならば、
吐き気といった軽い症状もでないとされています。
追記:
政府は今回の地震の対応に限り、公務員が許される被曝量の上限を現在の100,000マイクロシーベルト(0.1シーベルト)から250,000マイクロシーベルト(0.25シーベルト)に引き上げました。
200,000マイクロシーベルト(0.2シーベルト)を超えてきましたが、下記のとおり、ほとんど症状はでないという値です。
放射線を短期間(約1時間以内)に
全身被曝した場合の致死線量
0.2シーベルト以下の被曝では何も症状がでないとされています。
コチラの内科・皮フ科のホームページによると0.25シーベルトでもほとんど臨床症状はないとのことです。
これが
0.5シーベルトの被曝になると、一時的にリンパ球が減少するといった軽度な症状がでます。
つぎに
1シーベルトの被曝となると心配するべきです。一時的に嘔吐、全身倦怠、リンパ球の著明な減少といった症状になります。
※この値までは命に別状はないともいえます。
さらに
2シーベルトの被曝となると深刻です。この数値では5%致死線量となり、被曝した人の20人に1人が死に至る線量です。
ここまでくると深刻を超えています。
4シーベルトの被曝で50%致死線量となります。
そして、もう何もしても助かりません。
7シーベルトの被曝では100%致死線量となってしまいます。
〔1シーベルト = 1000ミリシーベルト = 1,000,000マイクロシーベルト〕
関 東で観測された値は0.1~1マイクロシーベルトくらいですので、200,000マイクロシーベルト(0.2シーベルト)に達するには、1日8時間、屋外にいる計算だと25,000日かかります。
枝野官房長官が説明しているとおり、放射線がーーーーっ!と騒ぐ必要は(現時点では)まったくありません。
寝ないでがんばる枝野官房長官
福島県庁付近で通常の400倍の放射線量を観測。という報道もありましたが、18~20マイクロシーベルトということなので200,000マイクロシーベルト(0.2シーベルト)に達するには1日8時間屋外にいた計算だと1250日かかります。
なお、シーベルトとは仕事量(力×時間)であり
その場所に「1時間いる」ということを前提とした数値ですので短い時間、通過しただけなら被曝量はぐっと少なくなります。
ホントに心配するべきは原子炉至近で作業にあたる方々。
「東海村JCO臨界事故」のときの教訓から、きちんと被曝量を考えて交替で行動されているとは思いますが、事態がさらに悪化した場合、責任感や使命感で被曝のリミットを超えてもなお復旧作業にあたったり、そもそも交代要員がいない、、、なんてことになると非常にマズいです。
さて、知識として知っておいたほうがよいと思うので、過去の東海村JCO臨界事故についても少し記載しておきます。
詳細はWikiにてコチラをお読みください。
この事故では3名の作業員が推定1グレイ以上の多量の放射線(中性子線)を浴び、結果的に3名のうち2名が亡くなっています。
✳︎エックス線やガンマ線の場合、1グレイ= 1シーベルトで考えてよいのですが中性子線の場合は5倍~20倍になるとのこと。詳しくはコチラ
3名の方の被曝量と経過
■当時35歳の作業員の方
推定16~20グレイの被曝。
事故から83日後に死亡。
(シーベルト換算では90 ~400シーベルト)
■当時40歳の作業員の方
推定6.0~10グレイの被曝。
事故から211日後に死亡。
(シーベルト換算では30 ~200シーベルト)
■当時54歳の作業員の方
推定1~4.5グレイの被曝。
一時、白血球がゼロになるが無菌室で骨髄の治療を受け、その後、回復し退院。
(シーベルト換算では5 ~90シーベルト)
※100シーベルトの被曝で即死するという情報もあります。
担当していた医師の証言によると、被曝した作業員と初めて顔を合わせた際、健常者と見紛うほど元気であったため非常に驚いたということです。
被曝して間もないうちは一見健康なように見えるが放射線により染色体が破壊されているため、新たな細胞が作られることは無く、時間が経つにつれて皮膚や粘膜などの崩壊が進んで、次第に臓器などへも影響を与え病状が悪化するとのこと。
もしも自分の身にこのようなことが起こったら?と考えると恐ろしいですが、避難区域外という離れたところにいる、我々一般市民はこんな数値になることは到底ありえません。大丈夫。
もちろん、身体に影響がないという余裕をもった200,000マイクロシーベルト(0.2シーベルト)にもね。
最後に少し、安心できる話。
それは
「原子力発電所が核爆弾みたいに爆発する可能性はない」ということ。
使用しているウラン濃度が5%程度と低く、そもそも核爆発に必要なメカニズムが備わっていないため、物理的に不可能なんです。
最悪なことにはならないということで、これはこれで一安心でしょ?
まぁ、何を最悪とするのかは人それぞれだけども。
追記:2016.3.16
NHKスペシャル「原発メルトダウン 危機の88時間」を見ました。あの日、現場で起こっていたことを時系列で再現したドラマなんだけど、知らなかったことばかりの衝撃的な内容でした。
2号機の格納容器の圧力が上昇して爆発寸前だったとかね。しかも2号機の格納容器が爆発しなかったのは運良くボルトが緩んで圧力が逃げたからとかね。そのときの人間の判断や行動よりも、運が良かったというまとめかたに無力感を感じてしまいました。
それにこのボルトが緩んだという話も5年経ったいまでも実際には確認できていません、、、
核爆発ではないけれど、核汚染で東日本壊滅一歩手前だったとか恐ろしすぎる!人間が扱えないものを扱っちゃダメだぜ