吉 岡徳仁さんがディレクションを手がけた
「セカンド・ネイチャー」展をみてきました。
場所は東京ミッドタウン・ガーデン内にある
「21_21 DESIGN SIGHT」(←これが建物の名称)
ほんとはGOOD DESIGN EXHIBITION 2008をみるつもりだったんだけど、なんということか休日は休館だということで、じゃあ「セカンド・ネイチャー」展を観るかということに、、、
結果から言うと観れて良かった♪
「セカンド・ネイチャー」展として全体をみると物足りないけど、
吉岡徳仁の作品が他じゃみたことない新鮮なものだったからしょうがない。
いやー、近年の吉岡徳仁のインスタレーションを雑誌で見るに、
ストローのトルネードしかり、ティッシュのインスタしかり、
勝手に吉岡徳仁のアイデアに限界を感じていたんだけど、さすが素材マニア?
日々、新しいことにチャレンジしてるんだねぇ。
久しぶりに展覧会で感心&驚かせてもらったよ。
って、なぜか上から目線ですが(笑)
やり尽くされた感のあるデザイン界で、
できる限り目新しくみえるモノを発表し続けるだけでも大変なこと。
ましてや、誰もやってない新しいことを見つけるなんてのはスゴイよ。
吉岡徳仁はやはり並外れた才能の持ち主でした。
まいった。
ひとつ気になったのは、吉岡徳仁ディレクションと銘うってるように、
今回ディレクションしてるのが吉岡徳仁さん自身ということ。
参加してる作家は8名なんだけど
吉岡徳仁の作品が展示スペースも作品のパワーも全体の9割を占める印象。
自分は広いスペース使って、ほかの作品はおまけ的な展示というのは
「セカンド・ネイチャー」展としてみたらバランスが悪い。
スポンサーの意向とかもあるのかもしれないけど
これなら、名称を「セカンド・ネイチャー」展ではなく
素直に「吉岡徳仁と7人の仲間」くらいにしておけばいいのにとか思ったな。
他の作家さんはガッカリしてるんじゃないのかなぁ? どうでしょう?
まぁ、みてよかったということに変わりはないけどね。
↓以下、各作品への個人的な感想。
■吉岡徳仁
作品名「CLOUDS – インスタレーション」「ヴィーナス-結晶の椅子」他
「CLOUDS – インスタレーション」
良くいえばレクサスのインスタレーションのときの進化版。悪く言えばアイデアの使いまわし、、、だけどここは素直に言うと、雑誌でみたことがあるだけだったこのインスタレーションがじかに見れて良かった!キレイな空間です。でも同時にマイナス点も発見。まず室内にビニール臭が充満してます。(臭いが気になるよ)もうひとつ、これは「21_21 DESIGN SIGHT」の建物自体の問題なんだけど、もっと天井が高ければこのインスタはもっと映えるはず。幻想的~♪ って思ってたのに天井を見上げると1本1本のロープの結び目がみえちゃうからさ、安っぽく感じるし苦労して結んだんだねぇって現実に戻されます。
「ヴィーナス-結晶の椅子」他
今回の目玉作品。作品というよりは吉岡徳仁の新しい実験。ポリエステル繊維でつくったスカスカの作品に結晶(クリスタル)を付着させて育てています。クリスタルを自ら作り出すなんてことをアート作品に昇華させてるアイデアが新鮮!結晶の大きさも家庭で作る氷より大きなものもゴツゴツついてるし、何と何をどうすると結晶ができるのか?とか、どのくらいの期間でできるの?など謎が多かったけど(知りたいけど企業秘密かな?)インスタレーションに負けずおとらずこれまたキレイでした。その他、音楽を聴かせて作った作品もあり。(液体を振動させてるということだろうね。音楽を聴かせて作ったトマトみたいな。)これから先、アイデア次第でさらなる化け方をしそうな結晶作品。制作の半分を自然にまかせるとは。いやー 新しいっ!
吉岡徳仁「ヴィーナス-結晶の椅子」2008
ナチュラルクリスタル、ポリエステル繊維[サイズ:780mm×780mm×660mm]
■東 信
作品名「式 2」
アクリル使いの吉岡徳仁にアクリル作品で勝負?出来もキレイじゃない。
■安部典子
作品名「地のかけら Vol.4-7」
机の上で作れる小さなサイズ。地道に頑張った学生作品のようだ。
■カンパナ・ブラザーズ
作品名「Cristalina」
地味で何が伝えたいのかわからず。常設作品?かと思った。(←決して褒めてはいない)
■片桐飛鳥
作品名「ライト ナビゲーション」
展示方法も場所もよくない。もっと広いスペースにポツンと展示して、
照明にも気を使えば良くなるはず。
■ロス・ラブグローブ
「CELLULAR AUTOMATION Origin of Species 2」
展示場所が下記の映像作品スペースの後ろ、、、なので目立ちません。
作品自体も興味わかなかったなぁ。
■森山開次 + 串田壮史
作品名「REINCARNATION」(映像作品)
吉岡徳仁の作品以外で唯一、印象に残った作品。
肉体表現による映像だけど難解でなくテーマがわかりやすくて良い。
■中川幸夫
作品名「迫る光」
これも常設作品ですか?という感じ。(←決して褒めてはいない)
「セカンド・ネイチャー」展用の作品じゃない。昔の作品を展示しただけ。
と、まぁ、感想はこんな感じ。
このように「セカンド・ネイチャー」展としてはいまいちだけど、
吉岡徳仁の結晶作品は見る価値ありの展覧会でした。
GOOD DESIGN EXHIBITION 2008が休館で、
偶然行くことになってよかったよ(笑)
展示作品ではないけれど意外と満足できたのが、
1階フロアで流れている吉岡徳仁の紹介映像。
1990年~2008年までの大きな仕事を紹介しているものなんだけど、
30分間とかなり見ごたえあって良い。
長いので椅子に座ってみるといいよ。椅子少ないから女性優先でね♪
吉岡徳仁さんのはじめての椅子作品。
紙の椅子「Honey-Pop」も展示されています。